【京都市右京区】私立高校の学費支援、就学支援金・府の補助・市の制度で何が違う?

子どもの進路が近づいてくると、ふと「うちは制度を使えるのかな」と気になることがあると思います。けれど制度の名前を調べると、似たようなものが複数出てきて、どれを確認すればいいか分からないまま時間が過ぎることも多い。

右京区を拠点に地域情報をまとめている『ウキョウベース』のエリアライター、ゆうやです。わたし自身、子どもの就学に合わせてこのあたりの制度を調べはじめてから、「思っていたより種類が多くて構造が分かりにくい」と感じた経験があります。

この記事では、授業料軽減に関わる制度の種類と確認の順番を、京都市の状況をふまえながら整理します。支給額や条件の詳細は申請前に公式確認が必要ですが、どこから手をつければいいかの見当はつくはずです。

免責事項: 本記事は制度の概要を整理した情報提供を目的としています。支給額・所得基準・申請時期などの詳細は年度ごとに変更される場合があります。必ず公式窓口や在籍予定の学校でご確認ください。


目次

制度は国・府・市の3層になっている

私立高校の学費支援には、大きく分けて「国の制度」「京都府の制度」「京都市の制度」の3層があります。

  • 高等学校等就学支援金(国):授業料に充当される国の支援金
  • 京都府私立高等学校あんしん修学支援事業(京都府):国制度への上乗せ補助
  • 奨学のための給付金(国+京都府):授業料以外の教育費(教科書代・学用品費など)を支援
  • 京都市高校進学・修学支援金支給事業(京都市):市民税非課税世帯・生活保護世帯向けの独自支援

どれか一つを使えばいいわけではなく、世帯の状況によっては複数を重ねて受給できます。「自分の家はどれが使えるのか」を一つひとつ確かめていくのが、制度を調べるときの基本的な進め方です。


「就学支援金」と「あんしん修学支援」は別の制度

就学支援金は「授業料の一部を国が直接補填する」制度で、学校を通じて処理されます。保護者が授業料全額を一度払って後から戻ってくる仕組みではありません。一方、府のあんしん修学支援事業は学校が授業料を「減免(割引・免除)」する形で実施され、府が学校に補助金を出す仕組みです。

制度実施主体仕組み申請先
高等学校等就学支援金授業料から直接差し引き在籍校
あんしん修学支援事業京都府学校が授業料を減免在籍校
奨学のための給付金国+京都府授業料以外の費用を給付在籍校
高校進学・修学支援金京都市入学支度金等を支給子ども家庭支援課

2026年度から所得制限がなくなった

2026年4月から制度が大きく変わっています。 改正法が2026年3月31日に成立・施行され、私立高校の就学支援金について所得制限が撤廃されました。

  • 2025年度まで: 世帯年収に応じて年間11万8,800円〜39万6,000円を支給(所得制限あり)
  • 2026年度から: 所得に関係なく、全世帯に年額45万7,200円を上限に支給(全日制私立高校)

私立高校の授業料全国平均に相当する額ではありますが、授業料がこれを上回る学校では差額の自己負担が残ります。


右京区から通える私立高校3校

就学支援金やあんしん修学支援事業はすべて在籍校を通じて申請する仕組みです。学校選びと制度理解は一体で考える必要があり、右京区内・または右京区から通学しやすいエリアにある私立高校のうち、代表的な3校を紹介します。なお、学費・奨学金制度は年度により変更される場合があるため、最新情報は各校の公式サイトおよび学校事務局でご確認ください。

① 京都先端科学大学附属高等学校

所在地: 京都市右京区花園寺ノ中町8番地(JR嵯峨野線「花園駅」徒歩約7分)

特徴: 右京区に唯一キャンパスを持つ私立高校で、系列の京都先端科学大学への内部進学ルートがあります。文理融合・探究型の学習環境が特徴の共学校です。就学支援金・あんしん修学支援事業ともに対応していますが、他府県出身の生徒は国の就学支援金(年45万7,000円)のみ対象になる点は、進学前に確かめておきたいところです。

独自奨学金: 入試成績に応じた特待生奨学金制度あり(入学金・授業料・施設設備費の一部〜全額を給付)。京都府の支援制度との組み合わせも原則可能ですが、年度ごとの府の制度変更によって奨学金額が見直される場合があります。

学費窓口: 学費係(TEL: 075-461-5105、受付時間9:00〜16:00)

公式サイト: https://www.js.kuas.ac.jp/shs/

② 京都外大西高等学校

所在地: 京都市右京区西院笠目町(阪急「西院駅」徒歩圏内)

特徴: 京都外国語大学の系列校で、英語教育に強みを持つ共学校です。普通科のみで、語学・国際コースから進学コースまで幅広いコース編成があります。就学支援金について学校が独自に案内資料を作成・配布しており、制度の説明に積極的な学校といえます。

学費・支援: 国の就学支援金(年118,800円〜457,200円)に加え、京都府のあんしん修学支援事業の対象校です。独自の奨学金・給費制度の詳細は、学校事務局に直接聞くのが確実です。

学費窓口: 京都外大西高等学校 事務室(TEL: 075-312-8739)

公式サイト: https://kgn.kufs.ac.jp/

③ 京都光華高等学校

所在地: 京都市右京区西京極野田町39(阪急「西京極駅」徒歩約5分)

特徴: 女子校で、光華女子学園グループに属します。「特進アドバンスト」「特進」の2コース制で大学進学を重視したカリキュラムが特徴です。

学費・支援: 年間授業料は1年次約50万4,000円が目安で(2年次以降は年間約83万6,000円)、就学支援金・あんしん修学支援事業の対象校です。学校独自の奨学金として「学業優秀者向け奨学金(授業料50%〜100%給付)」「英語・数学・競技実績に応じた奨学金」「学園同時在籍減免(兄弟姉妹が同学園に在籍時25〜40%給付)」などが用意されており、国・府の支援制度と合わせて使える選択肢は比較的幅広い学校です。

学費窓口: 教育マネジメント部(TEL: 075-325-5230)

公式サイト: https://hs.koka.ac.jp/senior/

京都先端科学大学附属京都外大西京都光華
共学/女子共学共学女子
最寄り駅JR花園駅阪急西院駅阪急西京極駅
就学支援金対応
府あんしん修学対応○(府内生)
独自奨学金特待生制度あり要確認複数制度あり

京都府の上乗せ補助、対象と金額の目安

京都府のあんしん修学支援事業は、国の就学支援金と府の補助を組み合わせる仕組みです。

対象世帯(目安)国+府の合計支援上限(年額)
生活保護世帯98万円
年収590万円未満程度65万円
年収590万円以上(兄弟姉妹が府内私立高校に在籍)55万9,000円
年収590万円以上(兄弟姉妹が府内公立高校・大学等に在籍)50万8,100円

⚠️ 上記の年収はモデル世帯(父・母・子2名)の目安です。実際の判定は「地方税の課税標準額×6%-調整控除額」の計算式で行われます。

奨学のための給付金(授業料以外の費用補助)は、住民税所得割が非課税の世帯または生活保護世帯が対象で、保護者が京都府内に在住していることが条件になります。


京都市にも別枠の支援制度がある

京都市の「高校進学・修学支援金支給事業」は、市民税非課税世帯・生活保護世帯の生徒に入学支度金等を支給する制度です。問い合わせ窓口は「子ども家庭支援課」(☎ 075-746-7625)になります。

府や国の支援制度とは別枠で申請が必要なため、学校からの案内だけを見ていると見落としやすいのが正直なところです。


「年収」ではなく住民税の額で判定される

就学支援金や府の補助制度では「年収」ではなく、住民税(市区町村民税)の課税標準額をもとに所得区分が判定されます。判定式は次の通りです:

【課税標準額 × 6% - 市町村民税の調整控除額】

政令市(京都市)在住の場合は、調整控除額に4分の3を掛けて計算します。

  • 計算結果が15万4,500円未満 → 「年収590万円未満世帯」に該当
  • 計算結果が30万4,200円未満 → 就学支援金の旧所得区分に該当(2026年度以降は所得制限撤廃済み)

「年収で考えていたら条件が違った」というケースが起きやすいのはここです。給与明細より、前年分の住民税決定通知書を手元に置いて見た方が話が早いです。


合格後すぐ、学校に制度の案内を聞く

入学前(出願・合格後)

  • 志望校に支援制度の内容・金額・申請方法を確認する
  • 上記3校ならそれぞれ「学費係」「事務室」「教育マネジメント部」が窓口です

入学後(4月〜)

  • 就学支援金の手続きは4月以降、在籍校を通じて行います
  • 府のあんしん修学支援事業は6月頃に申請受付が始まります
  • 奨学のための給付金も学校経由での申請になります

制度ごとに締め切りが違う

申請時期を過ぎると、その年度の支援を受けられなくなる場合があります。

  • 就学支援金: 入学後4月〜(年度ごとに継続申請が必要)
  • 府あんしん修学支援事業: 6月頃(学校によって受付日が異なる)
  • 奨学のための給付金: 7月1日基準日で申請(詳細は在籍校に確認)
  • 京都市進学・修学支援金: 受付期間内に子ども家庭支援課へ申請

複数の制度を使う場合、窓口が「学校」「府」「市」とバラバラになります。「学校に出した=全部済んだ」とはならないので、どの制度をどこへいつまでに出すかを、入学直後にひとまとめで整理しておくと後から慌てずに済みます。


ほとんどの申請は在籍校が窓口になる

国の就学支援金・府のあんしん修学支援事業・奨学のための給付金はいずれも在籍校が手続きの窓口になります。上記3校はいずれも制度対応校ですが、各校の担当窓口(京都先端科学大学附属:学費係、京都外大西:事務室、京都光華:教育マネジメント部)へは入学前から連絡しておくと安心です。

京都市の進学・修学支援金だけは学校を経由せず、直接「子ども家庭支援課」に申請します。学校の配布物に載っていないからといって使えない制度ではないので、市の窓口へ別途問い合わせてみてください。


授業料以外にかかる費用も把握しておく

就学支援金や府の補助は授業料が主な対象です。以下の費用は対象外となる場合があり、別途の準備が必要になります。

  • 入学金(京都光華:14万円など)
  • 施設整備費・教育充実費などの諸費用
  • 制服・体操服・上履きなどの学用品
  • 修学旅行費・部活動費
  • 教科書・参考書代(奨学のための給付金で一部補填される場合あり)

支援制度が使えると分かったあと、「それ以外にいくらかかるか」を学校に聞くのが実際の負担額を把握する近道です。


問い合わせ先の一覧

確認先窓口・連絡先
京都府の就学支援・府制度全般京都府教育庁文教課(☎ 075-414-4516/4517)
京都市の独自支援制度京都市子ども家庭支援課(☎ 075-746-7625)
京都先端科学大学附属高校学費係 ☎ 075-461-5105(9:00〜16:00)
京都外大西高校事務室 ☎ 075-312-8739
京都光華高校教育マネジメント部 ☎ 075-325-5230

「無償化=負担ゼロ」ではない

「所得制限が撤廃されたから全員無償になる」は正確ではありません。 2026年度から所得制限は撤廃されましたが、支給上限額(年45万7,200円)を超える授業料の部分は自己負担のまま残ります。京都光華高校の1年次授業料(約50万4,000円)で見ると、差額の約4万7,000円分は支援が届かない計算になります。学校ごとに授業料が違う以上、「無償化=負担ゼロ」と先に決めてしまうと、入学後に想定外の出費が出てきます。

「学校が手続きしてくれるから自分は何もしなくていい」という思い込みも要注意です。保護者自身の申請書類や課税証明書の提出が必要なケースがほとんどです。


制度が使えないケース・条件が変わるケース

  • 日本国籍がない場合や在留資格によっては、2026年度改正後の就学支援金対象外となる場合があります
  • 通信制・定時制高校は支給額や条件が全日制と異なります(私立通信制:年33万7,000円)
  • 他府県から転入して右京区へ引っ越した場合でも、保護者の住所が京都府内であれば府の支援制度対象になります
  • 失業や倒産など「家計急変」が起きた場合は、特例的な支援制度を使える場合があります。まず在籍予定の学校窓口に状況を伝えてみてください

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「ウキョウベース」ふーさん

右京区在住のふーさんです。地域情報メディア『ウキョウベース』で、地域で暮らす人に役立つ情報を発信しています

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